現実にある世界をまるまるコピーした世界です。
現実の世界を心の中にコピーしないと認識できませんね。
我々は心の中の世界を見ながら生活しているのです。
心の中だけの世界といっても知覚している全てですから、大変広大な世界です。
この心の中の世界だけがリアルであり、それ以外は存在していてもその存在を証明できず、脳内の情報こそ現実であると考えるのが「空観」です。
空観とは知覚している全てです。
空というのは、「自分の知っていること全て」ということです。
全ての存在が空だとすると、認識している自分が知らないものは存在しないと同じだからです。
空なる境地とは、自分が知っていること全てを理解している状態、ということです。
自分が知っていることは知っているんだから理解して当たり前じゃないの?と思うかもしれません。
ところが、盲点があるのです。何かに通暁すればするほど盲点が大きくなるのです。
知ることによって知らないことが生まれます。
ですから生まれたばかりの赤ちゃんは何も知識がないので、盲点はありません。
空に生きている。
それが知恵を身につけると盲点がだんだんと増えてくるのです。
ではなぜ盲点があるのか。
それは脳の処理を軽くするためです。
時々刻々と六根から情報が脳に伝達してきますが、全てを処理しきれません。
膨大な情報です。
脳は視覚だけでもスーパーコンピュータ並みの処理をしています。
それを抽象化して処理を軽くしています。
たとえば…
今、何時ですか?ご自分の腕時計を見て下さい。
次に、今度は時計を見ないで、時計のデザインはどんなものか、絵に描いてください。
描けましたか?
実際の腕時計と比べてみましょう。
時計の針のデザインは?文字盤は?数字のフォントは?
多分実物とは全然違うデザインに描くと思いますよ。
時間しか見ていないのです。重要と思う情報のみ認識して、あとの情報は切り捨てているのです。
これが盲点、ストコーマです。
空の境界、境地とは盲点の無い状態です。
自分の知っていること全てがフルオープンの状態。全てが分かった!と感じる状態です。
つまり、悟りの境地です。
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