共感力を磨きましょう。
ここで言う共感力とは、人の気持ちがわかる、配慮ができる能力を共感力と呼ぶことにします。
サイコパスの対義語としてのエンパス(共感)のことではありません。
普通に人の気持ちを理解しようとする心構え、それを共感力と呼ぶことにします。
それではなぜ共感力が必要なんでしょうか。
人間の知性は共感力から生まれたと言われています。
例えば、 2人の人間が花を見た時、花が綺麗だね、そうだねとの会話があったとします。目の前に見えている花を、相手が同じ目の花を見ているということを理解してるわけです。つまり相手の心の中を読んでいるわけです。
なんだそんなことかと思うかもしれませんが、数学的に考えると非常に複雑なことをしているわけです。
自分が見ている花=相手が見ている花 =綺麗である=相手も綺麗だと思っている
このような複雑な思考は、他の動物に見られません。
ですから、共感力を磨くのは人間としての能力を高めていくということに他なりません。母親は赤ちゃんの心に共感することで子育てを実現できます。
夫婦はお互いの心に共感することで愛情を深めます。
多くの職業ではお客様の気持ちを察して共感することでそのニーズを見出し、応えることで業績を上げることができます。
およそ人間関係が発生する場所では欠くことができない能力でしょう。
それでは具体的に、共感力を磨く訓練法をご紹介しましょう。
⑴ セリフ連想法
日常的に人と接することがありましたら、相手の心の中のセリフを想い浮かべます。
心の中のセリフとは、よく漫画にある、心の中を書いてある吹き出をイメージします。吹き出しがちょっと丸くなってるアレです。これを想像するのです。
この人は、本音ではこう思ってるんじゃないかとか、
実はこういう風なことを考えているんじゃないか、とセリフを想像するのです。
実際にやってみると最初はそんなに当たらないでしょう。
当たらなくてもいいのです。
だんだん当たるようになってきます。
この訓練をしていると、だんだんと相手の立場で物事が考えられるようになり、共感力が磨かれてきます。
⑵ 讃歎法
次に、実際に会話しなくてもできる訓練法です。
電車でも何でも結構ですから、目の前にいる人を褒めていきましょう。もちろん実際に声に出さなくて結構です。心の中の声で褒めてゆきます。
服装や持ち物や髪型などその人のこだわりを察知して具体的に褒めていきます。
服装や、持ち物でその人の性格や、仕事ぶり、信念など想像を膨らましていきます。
例えば、見るからに喋るのが上手い人だなと思ったら、この人は喋る職業、営業をしている人かなと想像して、会話力が凄いですね、と考えるのです。
電車で疲れて朝から寝ている人がいたら、念願のマイホームを会社から遠い場所に建てて始発の電車を狙って通勤してるんだな、家族思いで凄いですね、とか想像します。これも自分の勝手な思い込みのようですが、それでも良いのです。
これを続けると、自然に人を褒めることができるようになります。
褒めると言う事は共感力と関係ないんじゃないかと思うかもしれません。でもそれはそうではなくて、私たちが共感すべき内容と言うのは、その人の良いところ、こだわるところ、大事にしてること、そのことに共感すべきだからこの方法が有効なのです。
ですから私のようなお坊さんやカウンセラー、そういった方はむしろその人の悲しみや苦しみに共感したほうがよろしいですから、褒めるのではなくこの人の悩みはなんだろう、この人の苦しみはなんだろう、そういうふうにテーマを変えて想像すると良いでしょう。
是非とも実践して下さい。
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