2020年1月15日水曜日

日本の寺院の在り方を問う

葬式仏教と批判されて久しい。

現代の仏教寺院の行うことが何かといえば、それはお葬式と年回忌日法要、いわゆる法事だと思われている。

とくに戦後は寺院の世襲化が進み、一般の方々は仏教は葬儀をするものが当たり前で、それ以外の活動はどうも不自然な印象があると思われている。

僧侶が主に葬儀を行うようになったのは、実は約800年ほど昔の鎌倉時代から。

それは風水害の飢饉や疫病で多くの人が亡くなったため、仏教は苦悩を解決する宗教だからこそ死に対する苦しみを取り除くことを行った。

ご親族・故人と親しい方々の苦悩を解決するための手助けをするようになったのだ。

それが葬儀や法事であり、それは当時の民衆の寺院に対する要請だったと言える。

だがその一方で、お灸を据えたり、薬草を採取し丸薬を作り配布したり、病気を取り除く祈祷、坐禅を通じての心の治療なども行ってきた。

このようにご説明すると皆さん一様に驚かれます。葬儀法要だけが寺院や僧侶のお仕事、いわゆる、業務と思っている方が多いのです。

しかし、仏教は苦悩を解決する方法論であり、寺院はそのために存在するのです。

読経、坐禅止観、聞法、写経、御詠歌、こうした方法を用いて人生の苦悩を減らし元気に明日を生きてゆく糧を提供するのが仏教寺院の本来のありようです。その活動の一部が葬儀・法事なのです。

皆様もぜひお近くの仏教寺院にお出かけいただいてその方法論を試して頂きたいと思っております。

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